一般的に体温は、運動、飲食、感情の起伏、基礎代謝などが影響しています。
基礎体温は、体温に影響を与えるような条件を避けて測定した体温を意味し、基礎代謝のみが反映されます。
一般的に基礎体温は、一定時間(4~5時間)以上の睡眠後に起床時の安静な状態で舌下で測定した体温です。
基礎体温の測り方
まず、基礎体温の測り方を説明します。
測り方を誤解していて、正しく測れていない方をよく見かけます。
できるだけ毎日同じ時間帯に測定する習慣をつけましょう。
1、婦人体温計を用意する
通常の体温計と違って、小数点以下2桁まで測定できます。
最近はスマホのアプリと連動できるタイプもあります。
お好きなものをご用意ください。
2、就寝前に枕元に用意する
目が覚めたらすぐに測れるように
手の届くところに置きましょう。
3、目が覚めたらすぐ測定
起き上がったり、体を動かさず、寝たままで測ります。
婦人体温計を舌下(舌の裏)に差し込んで測定してください。
朝はできるだけ同じ時間に測るようにした方が、正確にデータが取れます。
4、記録する
測定した基礎体温を記録してください。
アプリにデータを入力する、または、メモをして形に残しましょう。
日々の基礎体温を線で繋ぐと基礎体温表となり、低温期、高温期の基礎代謝の状態が反映されたデータとなります。
低温期と高温期
生理のある女性の体温は、低温期と高温期に分かれます。
低温期:生理開始から排卵までの期間
高温期:排卵から次の生理開始までの期間
低温期は卵巣の中で卵胞が育つ期間です。
この時期に体温が適度な温度帯にあると卵胞が育ちやすい状態になります。
低温期の理想的な基礎体温は36.2℃です。
低温期に36℃を下回っているなら、冷えていたり、代謝が低下している可能性があります。
(ミトコンドリアはATPというエネルギーを作る機能と共に熱を生み出す機能も持ちます。その働きが低下している場合があります)
低温期が高めの方は、当店のホームワークを習慣化して頂くと36.2℃に近づくことが多いです。
温度が重要な理由としては、ホルモンを変換するアロマターゼという酵素が温度依存性だからです。
体温が整ってくるとエストロゲンが作られやすくなり、卵胞の成長もスムーズになりやすいです。
高温期は妊娠を維持するためのプロゲステロンというホルモンが血中に増えます。
排卵されなかった卵胞は卵巣の中で分解・吸収され、
次の周期に卵巣がしっかり働くための準備をしていきます。
低温期と高温期の差が0.3℃以上ある状態が正常とされています。
高温期は36.7℃以上を目指したいところです。
基礎体温が整ってきたら、妊娠まであと少しです!
卵の質を上げるには?
先ほど述べましたが、卵胞が育つのは低温期です。
(高温期の基礎体温が低めだと高温期にも次の周期の卵胞が育ってしまいますが、改善した方が良い状態です)
低温期の基礎体温が36.2℃付近で安定する
しっかりと卵巣の血流が良い状態を維持する。
(血流に乗って酸素・栄養・ホルモンが届きやすい環境になる。)
次の記事「卵胞が育つには」も合わせて読んでください
基礎体温を測る意味
一般には、
①排卵日の予測
②排卵しているかどうかの確認
③黄体機能の推定
④妊娠の早期診断
などが言われています。
ですが、基礎体温には基礎代謝が反映されています。
⑤基礎代謝の状態の判断材料
が入っても良いのではないかと思います。
代謝が低下している状態ならば、ミトコンドリアは働きにくいです。
ミトコンドリアが働きにくい=ATPを作りにくい⇔細胞・組織の機能低下
代謝が良い状態の方が、子宮・卵巣を含め臓器の機能が働きやすいのは当然ですね。
基礎体温を測るにあたって
神経質にならず、気軽に考え習慣化してください。
基礎体温を測定する意味を知らなければ、義務のように感じてしまいがちです。
そのような状態ならストレスを感じるのも当然ですね。
ですが、しっかりと体質を改善していけば、基礎体温が整うことがほとんどです。
体質の変化が感じられれば、基礎体温の変化が見えるようになってきます。
そうなってくると、変化を見るのが嬉しくなってきます。
基礎体温が整ってくれば、妊娠までもう少しの人が多いです。
基礎体温が安定しない場合は、思い悩まずお気軽にご相談くださいね。
記事を書いている人 平田泰之
富山県黒部市で不妊症をはじめ、生理痛・妊娠・出産後のケアなど女性のライフサイクルに関わる身体の悩みを40年間専門にしているひらた資生堂薬局の二代目。ひらた鍼灸治療院院長。
薬剤師・鍼灸師・コウノトリ鍼灸師・ONP認定栄養カウンセラー・睡眠健康指導士上級・婦人科セラピー協会会員・日本生殖医学会会員・日本不妊カウンセリング学会会員
ひらた資生堂薬局は皆様のおかげ様で
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両部門で北陸で唯一7年連続受賞中