スクリーニング検査

不妊治療を始めるにあたって、病院・クリニックで検査を受けます。

妊娠しにくい原因が何なのか調べ、どのように治療を進めるべきか決めるための検査で、

一般にスクリーニング検査と呼ばれます。

スクリーニング検査は、どの病院でも必ず同じ検査を実施するわけではありません。

 

主な初期スクリーニング検査

 

1.基礎体温記録指示  81%の施設が実施

基礎体温を連日測定しグラフ化します。

月経開始時期や排卵時期、排卵の有無を予想するのに使われます。

 

2.一般採血  97%の施設が実施

血糖値、甲状腺ホルモン、プロラクチン値なども測定。

貧血、肝機能、脂質代謝、腎機能、糖尿病などの有無を調べます。

 

3.月経期ホルモン検査(LH/FSH/E2など) 99%の施設が実施

卵胞期初期(月経周期3~5日目)に採血し測定。

卵巣機能や排卵障害の有無を確かめます。

 

4.黄体期ホルモン検査(E2/P4など) 88%の施設が実施

黄体期中期(黄体期5~7日目)に採血し測定。

排卵後の黄体機能不全の有無を確かめるために行われます。

 

5.超音波検査  100%の施設が実施

卵胞の発育や内膜の状態などを観察するために行われます。

 

6.子宮卵管造影検査  84%の施設が実施

造影剤を子宮頸管の入り口から注入して卵管の通過性、

子宮内腔の形態異常、卵管采周囲癒着の程度を把握するレントゲン撮影検査。

分かりやすく言うと、

「卵管が詰まっていないか調べる検査」です。

 

7.卵管通気検査・通水検査  36%の施設が実施

卵管の通過性を調べるために、子宮口からカテーテルで

二酸化炭素を送る→卵管通気検査

食塩水を送る→卵管通気検査

これらも

「卵管が詰まっていないか調べる検査」です。

 

8.ヒューナーテスト  61%の施設が実施

排卵日前に性交渉を持ち、性交渉後数時間してから

頸管粘液中にどの程度運動精子が存在するか調べる検査。

 

9.AMH採血  78%の施設が実施

血中のAMH(アンチミュラーホルモン)を測定し、

卵巣に卵子がどの程度残存しているか推定する検査。

 

10.精液検査  99%の施設が実施

男性の精液量、精子濃度、運動率、直進率、奇形率などを調べる検査。

 

11.性感染症スクリーニング(クラミジアなど)  95%の施設が実施

性感染症の有無を確認するため、

子宮頸管の分泌物などからクラミジアなどを検出する検査。

性感染症は卵管などの癒着の原因になることもあります。

 

※「〇〇%の施設が実施」の表記は、不妊治療を行っている施設に対して以前行われた大規模なアンケートの結果をもとにしています。

回答があった施設が386施設。そのうちの○○%という意味です。

 

当店に子宝漢方相談・子宝鍼灸で初めて来店された際には、スクリーニングテストを受けたかどうか必ず確認しています。

以前にも、卵管が通っているかどうか確認せずにクリニックでタイミングの指導を受けたり、人工授精を行われていた方がおられました。

当店の勧めで、卵管の検査を受けられたところ、両方の卵管が詰まっていることが判明したケースがありました。

両方の卵管が完全に詰まっていると精子と卵子が物理的に出会うことができないので、自然妊娠・人工授精での妊娠はできません。

卵管が精子は通れるけれど、受精卵が通れない状態の場合、子宮外妊娠で非常に危険な場合もあり得ます。

妊活を始める時点で一度、不妊治療の専門病院でスクリーニング検査を受けることをお勧めします。

記事を書いている人 平田泰之

富山県黒部市で不妊症をはじめ、生理痛・妊娠・出産後のケアなど女性のライフサイクルに関わる身体の悩みを40年間専門にしているひらた資生堂薬局の二代目。ひらた鍼灸治療院院長。

薬剤師・鍼灸師・コウノトリ鍼灸師・ONP認定栄養カウンセラー・睡眠健康指導士上級・婦人科セラピー協会会員・日本生殖医学会会員・日本不妊カウンセリング学会会員

 

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