効率よくATPを合成できる身体
私たちの身体が正常に機能するためにはATPという「生体を動かすエネルギー」が必要です。
ATPを効率よく合成するにはミトコンドリアが働く必要があり、酸素が十分届けられる必要があります。
酸素を体中に運ぶのは赤血球で、その赤血球を含んだ血流が良い状態がポイントになります。
ATPはどうやって作られるのか
ここではわかりやすく、1つのグルコース(血糖値で測られる単糖)からの例を挙げます。
①グルコースは細胞に取り込まれ、
グルコース→ピルビン酸となる時に2個のATPが出来る
②そのピルビン酸がミトコンドリアに運ばれ、ピルビン酸→アセチルCoAとなり、
TCAサイクルを回すときに2個のATPが作られ、
③さらに電子伝達系を回すときに34個のATPが作られます。
ちょっと難しい話でしたね。
簡単に言うと、
酸素が足りない状態では、①しか起こらないので、2個のATPのみ
酸素が十分ある状態では、①~③すべて起こるので、38個のATPが作られます。
ATPはどんな時に必要?
最初にATPはエネルギーと延べましたが、
エネルギーが2個しかない場合と、38個ある場合、どちらの方が体は仕事ができますか?
このATPは筋肉を動かすのにも、内臓が機能するのにも、DNAの合成にも必要です。
ほとんどの体細胞には数百~数千のミトコンドリアが存在するのに対し、卵子には10万~20万個のミトコンドリアが含まれると言われています。
これは、卵子は活発に細胞分裂をして赤ちゃんの体を作っていく必要があるので、物凄く大量のエネルギーが必要なため、ミトコンドリアを多く含んでいると考えられます。
ミトコンドリアの働きを良くするには
ミトコンドリアは身体の他の機能同様、普段から機能する必要がない状態だと廃用性委縮する(衰える)と言われています。
筋肉も長い間運動しない生活をしていると痩せ衰えますよね。これも廃用性萎縮です。
つまり、ミトコンドリアが働くには酸素を多く含んだ血流が良い状態を維持することが重要なのです。
血流が良くないと、いくらミトコンドリアに栄養を送ろうとしても届きません。
まずは血流を良くすることが優先です。
記事を書いている人 平田泰之
富山県黒部市で不妊症をはじめ、生理痛・妊娠・出産後のケアなど女性のライフサイクルに関わる身体の悩みを40年間専門にしているひらた資生堂薬局の二代目。ひらた鍼灸治療院院長。
薬剤師・鍼灸師・コウノトリ鍼灸師・ONP認定栄養カウンセラー・睡眠健康指導士上級・婦人科セラピー協会会員・日本生殖医学会会員・日本不妊カウンセリング学会会員
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